ある番組でスポーツ選手の運動前と後のIgAの推移を実験して調べていました。
IgAとは喉の表面、腸の内側、気管支の内側の壁などの粘膜の補油面に存在し、侵入してきた病原菌やウイルスなどの侵入を防ぐ働きに関与しています。唾液中の免疫抗体を採取して測定していくという実験です。唾液にはこのIgAが含まれています。
なぜIgAを測るのかというと、実はIgAの量は運動によって変化するからです。
その性質を利用して、強化合宿に参加した運動選手たちのIgAの推移結果をみてみましょう。
合宿は8月4日から約1週間行われました。
上記のグラフを見てみると、合宿当初は高かった免疫力が、1週間もするとガクンと落ち込んでいます。
強化合宿などで長い期間激しいトレーニングをすると、IgAは非常に落ちやすいということがわかっています。特に、有酸素運動の方が免疫力に影響すると言われていますので、例えば筋力トレーニングのメニューを変えたりして工夫をすると免疫は落ちにくいとのことです。
早稲田大学スポーツ科学学術院の奥野教授は、実際にハードなトレーニングをしてくると、体が疲れて疲労が回復しにくくなったり、風邪をひきやすくなったりなど、強靭なアスリートでも免疫の低下というのは実感できるものだとのことです。
運動をすれば免疫力が上がると思われがちだったので今回の実験では意外なことが明らかになりました。
では、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。
運動でも過剰になりすぎると免疫が低下するので、自分が気持ちいいなと思うくらいの運動を続けると免疫が上がってきます。
例えばウォーキングであれば1日7000~8000歩ぐらい歩く人が一番免疫が高いというデータがあります。人によって基礎体力が違いますので自身に合わせたウォーキングをするとよいとのことです。
ぜひ皆さんも無理のないように運動をして免疫を高めていきましょう。
お気軽にお問い合わせください。
【休診日】土曜日/日曜日/祝祭日